告白 湊かなえ〔双葉文庫〕 2010年8月16日 月曜日

kokuhaku事件の真相が気になって、途中で本を閉じられなくなった!子どもの溺死事件を教師、生徒、友人がそれぞれの角度で証言する構成は、羅生門を思わせる展開。徐々に明らかになる事件の真相に興味がひかれつつ、冷静な語り口で残酷な復讐を果たそうとする被害者の先生に釘づけになる。著者にとってこれが処女作だというから、今後の活躍に期待したい。

一番じゃなきゃダメですか? 蓮舫 [PHP研究所] 2010年7月2日 金曜日

renho絶好のタイミングで先月、出版された蓮舫さんの著書『一番じゃなきゃダメですか?』には事業仕分けの様子はもちろん、芸能活動時代に出会ったビートたけしさんなどへの畏敬の念も語られていて、蓮舫さんを通したタレント、キャスター、評論家の能力が伝わってくる。印象的なのは「私は5年先の想像をして計画を練るようにしている」というフレーズだった。今の蓮舫さんが5年先に何を目指しているのか興味深い。今度、聞いてみよっと。

最も遠い銀河 白川 道[幻冬舎文庫] 2010年5月22日 土曜日

ginnga4巻組みだから、しばらく寝れない傑作だ。遅筆家なのか一球入魂なのか、とにかく発表作品の少ない著者が、あのベストセラー『天国への階段』の後に書いた待望の長編小説だ。主人公は小樽の炭鉱で貧しい幼少期を送った建築家の桐生晴之。建築家としての成功を夢見る彼だったが、彼の過去をガンに侵された元刑事が追い詰めていく。ちょっと偶然が重なりすぎるところが強引だけれど、たびたび出てくる「運命」という言葉に納得してしまう。重なる偶然に躊躇していられないほど、ページをめくりたくなる面白さだ。

自治体の政策創造 青山佾 〔三省堂〕 2010年5月1日 土曜日

jiti都市の国際競争が激化しているなか、「民主党に都市戦略があるのか?」と疑問視する専門家が多い。人口減少社会で都市の活力を保つにはどうするべきか?ビジネス、観光、医療、防災・・・様々な視点から外国人を呼び込む東京の将来設計を描いているのが本書である。著者は元東京都副知事の青山先生。今は明治大学院で教授を務めている。都議会民主党の都市政策調査会の事務局長を務める僕にとって、青山先生とその著書は掛け替えのない道しるべだ。

一瞬の光 白石一文 〔角川文庫〕 2010年3月25日 木曜日

isshun直木賞の歴史でも快挙と呼べる親子での受賞を果たした白石一文氏の著書。父の白石一郎氏が書き上げた『怒涛のごとく』『異人館』は躍動感あふれる歴史ものだった。本作品は父の歴史ものとは対照的に現代に生きるエリートサラリーマンが一人の女性との出会いから生きることの価値を見出していくヒューマンものだ。会社での出世レースに派閥争い。誰もが悩み苦しむテーマだけに、読み終えて救われる想いにいたる人は多いはずだ。